泥んこ道をふたりで

そんなことあったねと笑おうよ

渡部さんとの出会い

渡部さんと出会ったのは

まだ私も独身のときです。


同じ会社ではないけれど

職場関係で出会って仲良くなりました。


年の差があるので、

こんなに仲良くなるとは思ってませんでした。


二人でおでかけしたり、お泊まりしたり、

恋人同士のような感覚で

いつも一緒にいたけど

付き合おうとかきちんと言われたことは

ありませんでした。


そして

1年もしないうちに

急に渡部さんは遠い地方への転勤が決まりました。


私たちは正式にお付き合いしてたわけじゃなかったので

別れようとか、

私もついて行くとか、

そんな話は一切なかったです。


転勤後も

私が飛行機でその地方まで遊びに行ったり

会議なんかで渡部さんがこっちに来たときには会っていましたが

前のように頻繁には会えなくて

そして渡部さんはもともと連絡がマメじゃないので

寂しい日々が続きました。



私は小さい頃から

お嫁さんになって、お母さんになるのが夢でした。


遠く離れた地方に住む結婚願望のない渡部さんとは

将来のことなんて話したこともないし

お互い好きで、特別な存在ではあったけど

正式に付き合ってるのかどうかもわからなくて

先のことを考えると私はだんだん不安になっていました。



そんなとき

私は職場に気になる人ができました。


そして、その人は

結婚してお母さんになりたいという私の夢を

叶えてくれそうでした。



私は渡部さんに

好きな人が出来たから

もう会えません、と

一方的に伝えたのです。




そして私は、

その同じ職場の気になる人と付き合うことになり

すぐに結婚し、子どもにも恵まれました。



小さな頃からの夢が叶って

幸せでした。



でも

何がきっかけかわからないけど

私は

また渡部さんのことを

考えるようになりました。



自分からもう会えないと言って

他の人と結婚を決めたのも自分なのに

本当に勝手で

最低だと思いながら

また渡部さんのことを好きな気持ちが

でてきてしまいました。